在宅における排便コントロールの実例
【訪問介護 馬込】(株式会社ケア21) 様
おひさま通信NEW02
- 介護
ケア21馬込様(東京都大田区中馬込2-9-11)は、全国展開している大手介護事業者の株式会社ケア21(JASDAQ上場)様が運営する訪問介護ステーションです。
明るく元気なスタッフの方々が、地域住民の方々の暮らしをサポートしております。
今回は志村ケアマネージャー、管理者の前田様にお話をお聞きしました。

志村ケアマネージャー
便秘に悩む高齢者が 非常に多い
高齢になると便秘にお困りの方は非常に多く、便秘についての相談が寄せられる機会は多いと思います。
私の受け持ちのケースでは、特に、心臓系の疾患・腰痛・ステロイド治療されている方からの相談が多いように思います。たとえば、デイサービスのお迎えの時に、なかなかお家から出て来られない時にご家族に聞いてみると、排便に時間がかかって、トイレから出てこられない、ということもしばしば起きています。
頑固な方は、訪問看護に相談をして、摘便、浣腸をしてもらうか、ラキソベロンなどを処方してもらっているケースもありますが、できれば自然な力で排便が促されればベストだと思います。
高発酵性の食物繊維
たまたま本社のケアマネ研修に参加した際に、高発酵性の食物繊維サプリメント(グアー豆の水溶性食物繊維:PHGG〔以下PHGG〕を知りました。
さっそく福祉用具の担当の方からサンプルを取り寄せて、便秘にお困りの方にサンプルをお渡ししてご紹介をしてみることにしました。ご紹介する前には必ず、主治医の先生や訪問看護の看護師さんに承諾をもらうようにしております。看護師さんからも、(PHGGを摂取することについて)「食物繊維は便通だけでなく、血糖コントロールにも有用だし、いいと思うわよー」とご評価いただき、主治医の先生にも確認をとってすすめていただけました。
さっそく摂取していただき、効果が出てきたケースもありましたが、主治医の先生に相談する段階で、あまりサプリメントに理解が得らないケースもありました。ご本人はとても気に入っていただいていただけにもう少し詳しくお話しができれば、と残念に思ったケースでした。
費用もかかることなので、経済的な状況も鑑みながら、おすすめはしておりますが全体的にはスムーズにご紹介して、問題解決に向かうことができていると思います。
家族でも愛用しております
私の場合は、家族でも愛用しております。母は90歳でマグラックスも飲んでいるのですが、食物繊維入りの経口補水液を水分摂取と食物繊維摂取を目的に飲ませております。
また、娘も小さい頃から便秘症なので使っておりますが、最初試供品を一本飲ませても、あまり効果はわからなかったのですが、大袋(1キロ)を買って飲み続けたところ、「ママ、出るようになった!」と喜んでいます。

水分摂取も大事です
その他、便秘以外に困っていることとしては、圧倒的に水分不足ということでしょうか。おトイレを気にして、水分を控えている方も多いですし、まず、喉がかわくという感覚が鈍くなっている方も多いです。
研修で聞いたことも参考にしながら、夏でも、冬でも水分補給は強くおすすめしています。在宅で、日中はお一人で過ごされている方は食事の時くらいしか飲まないという方も多いので、せめてお薬飲むときは、たっぷりの水で飲んでね、などアドバイスしております。

前田さん
便秘対策の新たな選択肢
便秘のことはよく相談をうけます。
今までは薬を増やしてもらうか、水分をたっぷりとりましょう、野菜をたっぷりとりましょう、ヨーグルトにすりおろしりんごを入れましょうなどといった提案をしておりましたが、PHGGを知って新たな選択肢ができたように思います。
薬を増やしてしまうと、下痢になりやすく、ご本人がかわいそうでなりません。また、会社のリーダー会議でうけた研修では、刺激性の下剤を連用すると腸が真っ黒になってしまうことを知り、驚きました。
研修で食物繊維の勉強をして、まずは自分や、便秘ぎみの娘で試してみたところ、とても調子がよくなりました!娘は特に昔から浣腸などをしないと出ない体質なので、喜んでおりました。
ラキソベロンや 痔のお薬が不要に…
自分自身や家族で体感をして、これはいい、と思ったので、さっそく便秘症に悩むご利用者におすすめしました。
この方は慢性腎臓病の方でラキソベロンを毎日10滴くらい服用されていて、排便コントロールに苦慮されていました。
カンファレンスで訪問看護の看護師さんにも相談したところ、すぐにOKが出たので家族にご紹介しました。
PHGGを1日6g使ってもらってます。デイサービスにも食事の時に混ぜてもらうように指示を出しています。
また、水分摂取もしっかりおすすめしています。
最初の1ヶ月はラキソベロンと座薬、摘便も併用で使っておりましたが、1か月、2ヶ月、3ヶ月と、経過するにつれて、徐々にお薬はいらなくなり、今ではほとんど使っていません。それから、痔のお薬も不要になったのも新発見です。
継続摂取で腸内環境を 整えることが大事だと痛感
最初の1ヶ月、2ヶ月では効果がわかりにくいですが、3ヶ月以降だんだんと腸内環境が整ってきて、今では普通に便が出せるようになったので、継続することがなにより大事だと思っています。
また、訪問看護の看護師さんにも支持を得られたのが大きかったと思います。
ご利用者の中には、野菜嫌いな方がおり、食物繊維も取りにくいので、コーヒーに混ぜたり、お弁当にふりかけて使ってもらったりもしております。
馬込ステーションでは 流行ってます!
ご利用者の方で効果が感じられてきていることや、食物繊維は体にいいことで知られているので、今ではヘルパーさんの間で口コミで広がっています。抗がん剤治療をされている方や、お酒が好きな方など、いろいろな方に飲んでいただいてご好評です。
やっぱり自分や家族が飲んでよかったよー、という体験談が説得力があるのかなと思っています。それに、ご利用者様の状態が目に見えてよくなっていることを訪問看護の看護師さんにも実感いただけたのも大きいと思います。
いいものは勉強して知識を深めたいと思っています。
下剤の長期摂取による弊害
下剤による強制排泄は、便失禁や腹痛等、ご本人様に苦痛を強いるばかりでなく、大腸に与える様々な影響が報告されております。

左が健康的な大腸。
右が下剤の連用により腸内が黒変した大腸(大腸黒皮症)
排便コントロール まとめ
・まずは自分で試してみる!
・“腸活は一日にしてならず”継続することが大事
・ご紹介にあたっては、まずは主治医や訪問看護に確認
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