自立支援介護型有料老人ホームの取り組み
【たのしい家 横浜鶴見】(株式会社ケア21)様
おひさま通信NEW01
- 介護
たのしい家 横浜鶴見様(神奈川県横浜市鶴見区梶山2-16-5)は、全国展開している大手介護事業者の株式会社ケア21(JASDAQ上場)様が平成28年3月1日に設立した介護付き有料老人ホーム
です。いち早く自立支援介護プログラム(元気になる介護)に取り組み、ケア品質の向上に研鑽することで、地域で評判の施設として注目を集めております。今回は施設長の小林様と、株式会社ケア21東京本社の飯田課長にお話を伺いました。
Q.開所からわずか数ヶ月で、すでに満床だそうですね。
A.はい、おかげさまでご予約も含めてすでに一杯になっております。
横浜にお住まいの方をはじめ、遠方は大阪から希望されてご入居されている方もいらっしゃいます。
リーズナブルな価格に加えて、当施設がすすめている“こだわり”をご評価していただき、入居を決められる方が多いです。
Q.たのしい家 横浜鶴見様の“こだわり”とはどんなことですか?
A.1つはリハビリの強化です。当施設では毎月理学療法士が来て、ケア21オリジナルのプログラムでパワーリハビリテーションに準じた内容のリハビリの実施や毎日の歩行を強化して自立性の向上につとめております。
また、2つ目としては、食事へのこだわりです。自社運営(株式会社美味しい料理)のキッチンだからできる「作りたての美味しく温かい食事」の提供です。
●朝食 7:30~9:30 ●昼食12:00~14:00 ●夕食17:30~19:00の食堂オープン時間中は、お好きな時間にお好きなメニューを、注文をうけてからつくります。
それから3つ目ですが、自立支援介護プログラムの実施です。水分・食事・排泄・運動の基本ケアを、ケアプランに落としこむことで、ご入居者様の自立性・活動性の向上につながっております。
また、さらに排便が困難な方にはガンコな方専用のイヌリン配合のPHGGを提供しております。
Q.食堂は明るくて、カフェテリアのようですね?
A.はい。食事は毎日の生活の中でも一番の楽しみでもあります。
ここを気に入ってご入居を決められた方も結構いらっしゃいます。
自社運営のキッチンで考案した栄養たっぷりのメニューは、お好きなものを選択できるようになっております。
ご自分で食券(札)を持ってオーダーするので、楽しさもあるようですし、好きなものを選べることが喫食率にもつながっているようです。
「おいしくて食欲がとまらないよ」とお話するご入居者様もいらっしゃいます。
Q.自立支援介護プログラムはどんなものですか?
A.もともとは自立支援介護を提唱する国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授の執筆された本を色々読んだり、自立支援介護に関してのセミナーに参加する中で確立した介護プログラムです。
水分 … 1日1,500mlを摂取する
食事 … 1日1,500kcalを摂取する
排泄 … なるべく下剤に頼らず自然排便を目指す
運動 … 毎日歩行する
ということが核になっております。
このプログラムを実施するには、職員の専門知識を高めることが大事です。
もちろんそのために職員研修も充実化しておりますが、新しく入った職員には、最初の1ヶ月間は現場に入ってもらい、自立支援介護というものを体感してもらうようにしております。
水分をとることが意識レベルの向上にどれだけ効果があるかということなど、目の当たりにしてから、専門知識を深めてもらうようにしております。また、シフトの組み方も工夫しております。リハビリや歩行に専念できる職員が確保できるよう対応しております。
Q.なるべく下剤に頼らず自然排便を目指すというところではどんな取り組みをされておりますか?
A.以前いた施設から行っておりますが、高発酵性の食物繊維サプリメント(グアー豆の水溶性食物繊維:PHGG〔以下PHGG〕)を活用しております。
高発酵性の食物繊維を十分に摂取することで、下剤をほとんど使わずに3日以内にすっきり出る方も多いです。
またお通じだけでなく、腸内フローラを介して、腸細胞の栄養源となる成分が産生されることにより、
栄養の吸収があがり血中アルブミン値(栄養状態の指標)の上昇がみられた症例も多くの病院で報告されていることも高く評価しております。
Q.PHGGはどのように活用されておりますか?
A.食堂で、メニューのオーダーが入りましたら、食堂スタッフが小皿に1杯(約5g)盛り、各自で飲み物や汁物に入れていただいております。
朝・昼・夕に5gずつ1日15gの提供をしておりますが、この自立支援介護プログラムの実践には必要なアイテムの一つと考えているため、入居時に必ず説明を行い、同意を得て福祉用具から購入していただいております。(1ヶ月およそ2,000円)
また、さらに排便が困難な方にはガンコな方専用のイヌリン配合のPHGGを提供しております。
Q.水分補給ではどのような工夫をしておりますか?
A.まずは職員教育で水分摂取の重要性を共通認識として持っております。
一方で、“水攻め”状態(水分摂取をしつこくすすめる状態)にならないよう、どうしたらうまく飲めるのかを工夫して実践しております。
Q.「水分をとるとおしっこが近くなる」と敬遠されるご入居者様もいらっしゃいますか?
A.確かにいらっしゃいます。ただ、日中の水分量や活動量をあげることで、日中の排尿量が増えて、夜間排尿が減ると言われており、実際に水分摂取についてもなるべく15時くらいまでに目標量を摂取していただき、夕方以降は控えめにすることで夜間頻尿をおさえております。
Q.自立支援介護プログラムの実践で、ご入居者様に変化はありましたか?
A.はい、顕著な例としては、お看取りでご入居された方がみるみるうちに回復して、今では普通に歩行できるまでになった方もいらっしゃいます。
やはりおいしいお食事をしっかりと召し上がっていただき、日中は活動性を上げる、そして定期排便を心がけることで状態が回復する方が多いのではないかと考えております。
もちろん、いつでも医療対応できる体制も完備しており、毎日安心してお過ごしいただいております。実はこれが入居促進の強い武器にもなっております。
その他に今取り組んでいることは ありますか?
はい、これからの課題にもなりますが、なるべく睡眠薬に頼らない夜間良眠を目指したケアの展開に注力したいと思っております。
睡眠薬によっては高齢者の場合、翌朝に残ってふらつきや転倒となるものも多く、なるべく使用を減らしたいと思っております。
当施設では、日中の水分摂取や活動量を上げることで自律神経のバランスを整えて、夜間良眠ができると考えております。
また、夜間に睡眠ホルモン「メラトニン」がしっかりと分泌されるよう、昼間は日光を浴びるように心がけ、夕方~夜間は館内の照明も日中のものとはかえて、100ルクス以内の赤っぽい暖色系の照明にかえております。
今後は、機能性表示食品の活用も考えております。
お茶に含まれる良眠アミノ酸「L-テアニン」は夜間の睡眠の質を改善し、起床時の疲労感を軽減させることが立証されております。
お守り代わりに睡眠薬を処方されている高齢者も多い中で、体にやさしく睡眠を改善できる素材として、L-テアニン200mg配合の機能性表示食品「テア眠」についても使用をすすめていきたいと思っております。
数多くの高齢者施設・住宅が立ち並ぶこの地区で、質の高いケアの実践を行い、入居者様の“笑顔”と“元気”を創る施設として
職員一丸となって取り組むことで、“選ばれる施設”でありたいと考えております。
ありがとうございました。